PIPSとWindows95によるデータ共有について
1.前 置 き
WindowsNT4.0をサーバOSに使ったLAN構築とPIPSの利用について事例を発表させていただきました(THE PIPS No.185 1997年6月号)。
NTが3.*の頃はNT上ではPIPSが動作せずにがっかりした事がありました。完全32ビット版のNT3.51になりPIPSが動作しました。そして例の大フィーバー、パソコンを持っていない人にまでWindows95を売り込んだ騒ぎがありました。
Windows95には表面的なGUIよりもネットワーク対応に興味をもっていました。それは、皆さんご存じの方は少ないかと思いますが、SORDのSR3000と言うマシンをクライアントにしたLANを組んだ時に相当苦労したためです。
現在もサーバーは機能していますが、OSにNetWareを使いマシンはDECの486プロセッサーの66Mhzに8MBのメモリー、そしてハードディスクは540MBの構成でした。サーバーインストールにも苦労しましたが、周辺機器ハードディスクやLANカード等も現在と比べると相当高価だったことを覚えています。ネットワーク(以下LAN)は一応何とか動き喜んだのもつかの間、肝心なPIPSがメモリー不足で動かず苦労した事を覚えています。
こんな時期に、英語版ではネットワーク機能が組み込んであるWindows for Workgroupsがあると聞き、早く日本語版が欲しいと思いました。結局日本語版は出ずにWindows95の発売となった訳です。Windows95には一部省略されていますが、ネットワーク機能がOSのレベルで組み込まれており、簡単にLANが組めます。NTに12万(実売価格)をかけずに小規模なLANは組めます。前置きが長くなりました。
2.ネ ッ ト ワ ー ク の 活 用
職場などで1台のパソコンだけを使っているとか、また、複数のパソコンを使っているがマシン毎に使用者が決まっており、各々データ交換することなく使っている環境では必要ないと思います。しかし複数で連携して仕事をしている場合はこのような事はなく、何らかの方法でデータ交換をし、お互いのデータを連携していると思います。
LANにはいくつかの形態があり一般的にはサーバー専用機を置き、各クライアントがアクセスする形態が多いと思われます。しかし、小規模でセキュリティもあまり必要でない場合は、あるマシンのデータ(ハードディスク)を共有し各クライアントがそれを利用することによりデータの共有が可能です。これは一般にピア・ツー・ピア(Peer to Peer)方式と呼ばれています。これは一台のマシンがサーバにもクライアントにもなれる機能がOSとして備わっているからです。これは逆にどのマシンもサーバになることができるため、管理やセキュリティにはやっかいです。例としては高速でかつ大容量のハードディスクを備えたマシンをサーバにし、高速なプリンターをつないであるマシンをプリンターサーバにして利用すれば効果的でしょう。気軽にできる方式ですが多様の条件に出費が必要です。
3.導 入 に あ た っ て
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Windows9が動いているマシン
(アクセスだけでしたら、DOS又はWindows3.1でもLANMANにて可能かもしれません。)
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LANカードをつけること(PnP対応のPCIカードがよい)
実売価格5,000円〜10,000円程度です。
ほとんどのものは動作しますが、95が標準で持っているドライバーソフトに対応している製品が良いでしょう。
*EZ-3200p+ (プロサイドで5,400円:NTでも使っています)
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接続ケーブル(10BASE-T : テンベースティ)
設置場所間の必要な長さ 500円/1m〜
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ネットワークハブ 集線機‥‥かえってわかりにくいかも)
実売価格10,000円程度(ほとんどのものが大丈夫です)
*Ethernet Hub UTP8/L (プロサイドで8,400円)
2台のみならクロスケーブル(10BASE-T&nbsdp;: テンベースティ)でも可能です。
用意するものは以上です。
*は使用部品と購入先です(削除していただいても結構です)
ネットワークは当然イーサネットのテンベースティを使っています。
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マ シ ン へ の カ ー ド の セ ッ ト ア ッ プ
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箱のふたを開けて、白いソケットにさす(手を切らないように注意)。
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ウィンドウズを起動
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自動認識したら、ドライバーソフトを指示に従いインストール
(自動認識しない場合は : マイコンピューター → コントロールパネル → ネットワーク → 追加アダプター → ディスク使用 a:\win95 の操作でインストールできます)
ハードウエアのインストールは以上です。次回に設定を紹介します。
次回は多少GUI化し絵で紹介します。
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付録 : ピア ツー ピアのLANの機能について
物理的にパソコンがつながり、無事ファイルの共有ができたとして、では実際にどのような恩恵があるでしょうか。一般にピア ツー ピア方式は、数台から十数台の運用では問題がないと言われていますが、その理由はわかりません。たぶん見渡せる1フロアー程度との意味ではないでしょうか。いずれにしろ管理者不在で管理できる程度の信頼できる環境を想定できます。セキュリティーはあまり期待できないが、これも1フロアでしたら問題無いでしょう。LANを組み、物理的にマシンがつながると非常に便利になります。以下の点がまず考えつきます。
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ハードディスクの共有
各マシンのハードディスクを共有する事により、データ、プログラムをお互いに利用できる。LANに参加している(電源の入っている)すべてのマシンをサーバにすることができる。しかし、データの分散は管理上大変労力がかかると思われるので、なるべく分散せず集中管理が好ましいと思われる。データ探しに30分処理1分など何回も経験することになる。もっともFDの抜き差しはなくかります。
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CD-ROMドライブの共有
ハードディスクと同様に各マシンのCD-ROMを読むことができます。各々のマシンにCD-ROMが無くとも使う事ができます。 辞書のCDをセットして共有するなどして使っています。また、CD-ROMのないマシンにプログラムをインストールするのに便利です。
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プリンターの共有
プリンターを接続してあるマシンのプリンターを利用することができます。
プリンターケーブルで接続していたより大変スマートになります。各マシンにプリンターをつなげば用紙による切り替え等のためプリンター切替機のお世話にならなくともすみます。しかし、PIPSではプリンタードライバーが対応していないためこの機能は使えません。
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